縫道石山東壁 冬期BFKルート

縫道石山東壁と西稜 イメージ

1982年1月14日〜17日
 パーティ/藤原 雅一(仙台RCC)、小田中 智

 藤原さんから、縫道石山東壁BFKルートの冬期初登に行こうと誘われ、2人で行くことにする。
 縫道石山東壁は、夏でもフリー部分は残置ピンが少なく、グレードも難しいので冬は更に難しいことが想像つく。そして海が直ぐに近いので寒さも厳しいものと思う。

1月14日
 仕事が終わってすぐ、藤原さんの車で出発する。 冬は野平林道が冬期閉鎖となるので、大間経由で福浦に回らなければならない。夏の夜走って6時間なので、冬道でしかも大間経由となると9時間程かかり、着くのは朝方になるだろう。
 私は免許が無く運転は藤原さん一人なので、極力居眠りしないよう気をつける。
 福浦からは地吹雪となり、小学校前から先は車は入れなくなった。もう朝の3時過ぎで、車の中で仮眠する。
縫道石山周辺概念図

1月15日(小雪)
縫道石山東壁ルート図

 すっかり眠ってしまい7時過ぎに目が覚める。吹きだまりで車のタイヤは埋まっていたが、先は行き止りなのでこのまま福浦小学校前に車を置いて出発する。
 林道は、野平に行く野平林道の反対側で、峠のずっと手前から小沢を登って行く登山道があり、峠から来る登山道に合流している。
 膝下までのラッセルから林の中に入ると股までのラッセルとなり、交代しながら雪を漕いで行く。ようやく峠からの登山道と合流し、壁の基部近くまで行きツエルトを張る。
 明日の登攀に備え、登れる所までザイルをフィックスするため取付きまで行く。
 1ピッチ目、藤原さんトップで登り出す。1ピッチ目は緑友ルートと同ルートであり、凹角からの直上が悪く苦労している。新雪が付いているので掃除をしながら、スカイフックを岩角に掛け人工で乗り越す。
 暗くなり始めてきたのでザイルをフィックスして下りてきた。寝不足なので食事してすぐに寝る。

タイム/福浦小学校前(8:00)→東壁基部(14:30)→BFKルート取付(15:30)→東壁基部(17:00)


1月16日(曇り時々晴れ)
 朝明るくなると同時に出発する。フィックスをユマーリングしてテラスに立つ。
 2ピッチ目、小田中トップで右の草付き凹角を登り出す。カンテへの出口が悪く、氷が詰まった広いクラックにピッケルを打ち込み、アブミで何とか乗り越す。
 3ピッチ目、フェースを藤原さんトップで登り出すが、残置ピンが少なくフリーも微妙で直上からやや右上する。時々地吹雪となり、登っている時は汗をかいているがビレイしていると風が冷たく、時折スノーシャワーもあり寒い。
 4ピッチ目、小田中トップで左上する。岩が段々になっている所には雪が張り付いているので、ピッケルでの掃除に手間どる。チムニーを登り、終わる。
 5ピッチ目、草付きを左にトラバースし、フェースを右上気味に登って行くと、傾斜が緩くなり頂上稜線に出て終了する。
 ガッチリ握手を交わす。時々晴れ間があり、夕日に染まりかけた雲が美しい。残念ながら北海道は雲に隠れ望まれなかった。
 頂上から夏道を下りツエルトに戻る。目的を成し遂げた喜びを、酒を飲みながら分かち合った。

BFKルート図
タイム/東壁基部(6:30)→BFKルート取付(7:00)→縫道石山頂上(16:00)→東壁基部(17:00)


1月17日(曇り)

 ゆっくり起き、ツエルトを撤収して下山する。放置しておいた車をスコップで掘りおこし、帰途につく。下風呂温泉で汗を流し昼飯を食べて、国道279号から4号をひたすら走り、夕方盛岡に着いた。

                            盛岡山想会山懐10号より掲載 記:小田中  智
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